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父親たちの星条旗 

父親たちの星条旗」を観た。

公開は28日からだが、一足先に試写会で観るチャンスを得たのだ。

監督はクリント・イーストウッド

前作「ミリオンダラー・ベイビー」で2度目となるアカデミー賞を獲得した監督だけに、注目されるところだ。

物語は、太平洋戦争末期、硫黄島での日本軍との死闘の最中、摺鉢山に掲げられた星条旗にまつわる隠された真実と、英雄に祭り上げられた兵士達の苦悩を描いている。

映画は「オープニングの十数分間で、その作品の良し悪しが決まる」と聞いたことがあるが、この作品のスゴイところは、上映開始後わずか数秒で全てを語っている点。

製作はスピルバーグ率いるドリームワークス。このクレジットが出る前、真っ黒な画面から聞こえてくる声。それが、この作品はその全てを物語っているから、実際は本編が始まる前といってもいい。

言いようの無いくらい物悲しくて生生しいその声は、やがて暗闇で戦いを強いられている兵士の映像に繋がる。そして、どこからともなく聞こえてくる「衛生兵!」という叫び声にダブっていく。見事である。

映画は、前線を離れ帰国した兵士達の時間と、戦場、そして現在、その3つの時間軸を行き来しながら展開する。

そのため、観る者は、華やかなパーティー会場いたかと思うと、急に戦場に送り込まれ、次の場面では、隠された過去が語られる現在へ、そこからまた戦場へ。そしてまた英雄を称える拍手喝さいの場に立ち会い、そしてまた戦場へ送り返される。

そういった目まぐるしさは、「プライベート・ライアン」が「戦争そのものを体感」させるものであったのに対し、それプラス「頭から離れない悪夢」と「虚像の英雄」とを背負った「兵士の苦悩」を体感させるに十分である。

脚本を担当したポール・ハギスの力量もさることながら、イーストウッド監督の確かな演出も見事。

太平洋戦争の運命を変えたといわれる「硫黄島の星条旗」の写真。

アメリカの伝説ともなったこの写真の隠された真実と、必要の上に作られた英雄の末路を、前作で描いた「尊厳死」と同様、淡々と描きながら、そして静かに問うたイーストウッド。

その問いは、穏やかなラストシーンからエンデングロールの最後までも続くのだ。

イーストウッドは、この戦いを敵国日本側から描いた「硫黄島からの手紙」も製作している。

そういった意味でも、今や彼は「アメリカの良心」とも言える存在になったのではないかと思う。
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コメント

こんにちは

TBさせていただきました。
凄い映画でした。
技巧の極致なのにそれを感じさせない、変な例えですが、凄腕の板前の仕事を見ているようでした。
こちらのレビューも、作品の本質を捉えた良い記事ですね。

ノラネコさま

コメントありがとうございました。

そちらのレビューこそ、鋭い考察で大変勉強になりました。

今後ともよろしくお願いします。

こんばんは

早速のご訪問ありがとうございました。
こちらからもリンクしておきました。
よろしくお願いします。

こんにちは。
大道芸観覧レポートという写真ブログをつくっています。
映画「父親たちの星条旗」もとりあげました。
もし、よかったら寄ってみてください。

http://blogs.yahoo.co.jp/kemukemu23611

kemukemuさま

ブログ拝見しました。

エンドロールの写真でさらにこの映画の重みが違っていると感じますね。

それに、この現アメリカにおいて、こんな映画を撮れるイーストウッドはエライ。

「アメリカの良心」と「エンドロール」に関して記述している点は、私のレビューと似通っていて嬉しかったです。

クリントの勇気に、拍手。

達也です。
土曜日に二度目の『父親達の星条旗』を観に行ってきました。
前2作のヘヴィーなメッセージでは飽き足らず、
クリントじいさん、またもやってくれました。
この硫黄島2部作、完全な確信犯です。
あえてアメリカ側の作品に感情移入するようなメジャーな俳優を起用せず、
複雑なフラッシュバックで観客を翻弄し、
客観的メッセージをクールに送っています。
偽の星条旗に込められたダブルのジョーク。
アメリカ人はこの映画を、どう観るのでしょう・・・。
まして、双子の『硫黄島からの手紙』を。
日本サイドの方は、徹底して感情移入と自己同一化を
狙っています。
おねむな日本人も、このカウンターは効くでしょうね、
きっと。

P.S トラバさせてくださいね。

TATSUYAさまコメントありがとうございました。

この映画は物凄く緻密に考えられていますね。細かいところでいくと、最初のころはインタビュアーの顔は見えません(あえて暗がりに置かれている)が、中盤以降誰なのかが判り、顔も見えてくる。これは、回想録形式が持つ「時間の停滞」をうまく押さえ込むことに成功していると思います。ウマイです。

双子の『硫黄島からの手紙』は必見ですね。

TBどうぞ。

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父親たちの星条旗・・・・・評価額1700円

一枚の有名な写真がある。太平洋戦争の激戦地、硫黄島の擂鉢山の山頂に、星条旗を突き立てる6人のアメリカ兵を写したものだ。1945年2月23日にAP通信のジョー・ローゼンタールによって撮影され、ピューリッツァー賞を受賞
  • [2006/10/27 13:51]
  • URL |
  • ノラネコの呑んで観るシネマ |
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父親たちの星条旗/Flags of Our Fathers

クリントイーストウッド監督×ポールハギス脚本!と言えば、アカデミー賞作品賞『ミリオンダラー・ベイビー』コンビ。+スティーヴンスピルバーグが製作に加わって2部作として描いた話題作{/star/}ということで、意識してなくてもちょっと期待しちゃっていたかもしれない。
  • [2006/11/01 22:35]
  • URL |
  • 我想一個人映画美的女人blog |
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父親たちの星条旗

写真にはフレームがあり、カメラマンは撮影の時に構図を考え、フレームの内に入れるものと外に出すものを選別する。写真が現実を写すといっても、それは当然撮影者によって選ばれた現実の一部にすぎない。ところが人はそのこ
  • [2006/11/10 01:12]
  • URL |
  • Kinetic Vision |
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