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ゼロ 

それが起きたのは、今日の次の日だった。

地球上の人間が死滅したのだ。一組の男女を除いて。

原因は分らない。天変地異か疫病か。残された彼らにも分からない。

目が覚めたら二人だったのだ。眠っていた時間も定かではない。実のところ、眠っていたのかさえも曖昧だった。

食う物はある。空気は澄んでいる。お金は持ち合わせていなかったが、その必要はなかった。生き延びるには何の問題もない。かえって、他の人間がいない分、以前より住みやすい。

二十歳程の二人は夫婦ではなかったが、愛し合っていた。

「子供がほしい」と女が言った。

健康的には全く問題なかったが、男はその逆のことを言った。

女は再三何故だと問い詰めたが、作る作らないは個人の自由だといって男は聴かない。

そうね自由、そもそも他から強制されるものじゃないし、と女も思った。

出生率は完全に"ゼロ"になったが、地球環境は回復の一途。

政治不安も争いも貧困も格差もない、穏やかな日々が延々と続いた。

二人は随分歳をとった。年金は貰えてなかったが、生活には困らなかった。

58年6ヵ月と10日と19時間12分後、男は天寿をまっとうし、女ひとりになった。

その後のある穏やかな日和の中、女がひっそりと息をひきとり、人類が"ゼロ"になった。

他の何者でもなく、人類が選択したのだから、仕方ないことであった。

それは、今日の次の日から、65年5ヵ月と25日と20時間36分後のことであった。

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コメント

初めまして。
きっとそれが昔なら
種を残すという行為が優先された
のでしょうが、今ではこういう考え
があるのですね。
生き物の種を残すという本能から
外れてきた人間。
この先はどこにいくのでしょうか?

砂人さま、コメントありがとうございます。

極端な設定の下手な小説もどきで申し訳ありません。

今、日本は少子化問題がクローズアップされていますが、人種や国を超えて一個の「人間種」として考えた場合の出生率はどうなんでしょうね。

詳しく調べた訳ではありませんが、人間全体の出生率はある程度保たれているのではないかと思います。(現に最先進国で日本が猿真似しているアメリカの出生率は低下傾向ではなく2.0付近で横ばい状態)

日本人が絶滅危惧種に指定されなければ善いとは思いますが。

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